初めてのファクタリング契約で押さえておきたい基本知識まとめ

企業経営者や個人事業主が早期に資金を調達する手法として、ファクタリングが注目されています。もともとファクタリングはアメリカで誕生した金融サービスです。日本でも2000年頃からファクタリングサービスを行う会社が登場し始めました。また、2社間ファクタリングを行う会社も増え始め、徐々にファクタリングが利用しやすい環境になっています。資金調達手法の一つとして、ファクタリングに関する知識は押さえておきたいものです。ここでは、企業経営者や個人事業主を対象に、ファクタリング契約の基礎知識を解説します。

ファクタリングがおすすめな企業や事業主とは?

ファクタリングは融資とは異なる仕組みを持つ資金調達手法です。そのため、融資を受けられない企業や個人事業主でも利用できる可能性があります。ここでは、ファクタリングが向いている企業や個人事業主について解説します。
銀行や公的融資が受けられない企業経営者にとって、事業資金の調達は悩みどころです。すでに公的融資を受け、銀行融資も上限まで利用している場合、新たな借入をするのは難しいでしょう。審査を受けても通らない可能性が高くなります。しかし、ファクタリングなら審査が銀行融資ほど厳しくないため、資金調達できる可能性があります。審査方法も融資とは異なり、売掛先企業の信用力が重要です。優良な売掛債権がある場合に利用できます。
また、すぐに運転資金を調達する必要があるときにもおすすめです。特に、2社間ファクタリングでは、売掛先企業の承諾が必要なく、ファクタリング会社とファクタリング利用会社だけで契約できるため手続きにあまり時間がかかりません。最短で即日現金化することも可能です。しかも、取引先や取引銀行に知られないように資金調達することができます。ファクタリングは法的にも認められている資金調達手法です。しかし、日本ではファクタリングに対するイメージがあまりよくないため、売掛先や銀行に知られずに利用できるのはメリットが大きいといえます。
さらに、ファクタリングによってキャッシュフローが改善するので、銀行や公的融資が受けられる可能性が出てきます。ファクタリングは融資ではないため、借金を増やすことなく資金調達することが可能です。そのため、企業の経営状況が正常化し、融資の審査で評価が下がることもありません。事業資金を確保する一つの手段としてファクタリングを考えてみてはいかがでしょうか。

 

利用会社が入金する2社間ファクタリングの流れ

日本でも市場を拡大しつつある2社間ファクタリングは、ファクタリング会社とファクタリング利用会社で契約を結ぶものです。利用会社にとっては、売掛先の承諾を得る必要がないため利用しやすい仕組みとなっています。ここでは、2社間ファクタリングの流れを解説します。
ファクタリングの利用には、営業上発生した売掛債権が必要です。商品やサービスを掛取引で提供した場合、売掛金が発生します。売掛金が発生した際、代金を受領する権利を売掛債権といい、この債権がファクタリングの対象となるのです。ファクタリングでは、ファクタリング会社と契約を結ぶことで売掛金を早期に現金化することができます。
ファクタリング利用会社は、売掛債権の支払期日が来る前にファクタリング会社へ債権を譲渡する契約を結びます。2社間ファクタリングでは、売掛先企業は関与しません。そのため、契約が締結されると、ファクタリング会社から利用会社へ債券譲渡分の現金が入金されます。入金された現金は事業資金として使用することが可能です。
その後、売掛金は通常通り売掛先から利用会社へ入金となります。しかし、ファクタリング契約により、売掛金はファクタリング会社が受け取る権利があります。ファクタリング利用会社は、すでに売掛債権を譲渡しているからです。利用会社は売掛先から入金があったら、ファクタリング会社へ売掛債権分の現金を送金する必要があります。2社間ファクタリングでは、ファクタリング会社が譲渡した売掛債権分の現金を受領して完了となります。ここまでが、2社間ファクタリングの流れです。

 

リスクの少ない3社間ファクタリングの流れ

3社間ファクタリングでは、ファクタリング会社とファクタリング利用会社のほかに、売掛先の企業も関与することになります。そのため、2社間ファクタリングよりも入金までに時間がかかることも予想されます。ここでは、3社間ファクタリングの流れを詳しく解説しましょう。
3社間ファクタリングの場合も、商品やサービスを提供したあと売掛金が発生していることが大前提です。売掛債権を持つ会社が3社間ファクタリングで資金調達をするためには、先にファクタリング会社へ3社間ファクタリングの申し込みを行います。3社間ファクタリングでは審査の前に売掛先の承諾が必要になるため、申込後に承諾を得る交渉をしなければなりません。承諾には、売掛先の同意書と承諾書への押印が必要です。交渉には、ファクタリング会社が同行して説明を行うこともあります。
売掛先の承諾が得られたら、ファクタリングの審査に入ります。審査で問題がなければ、3社間でのファクタリング契約が可能です。契約後、ファクタリング会社からファクタリング利用会社へ債券譲渡分の現金が入金されます。その後、売掛先はファクタリングで譲渡された売掛債権分の売掛金を、支払期日までにファクタリング会社へ送金します。2社間ファクタリングと違い、3社間ファクタリングでは売掛金のやり取りを売掛先とファクタリング会社で行うのが特徴です。
3社間ファクタリングでは、利用会社は債権を回収する必要がありません。債権の回収業務はファクタリング会社が行います。そのため、利用会社にとっては、売掛債権の貸し倒れリスクを軽減できるというメリットがあります。

 

ファクタリング契約の基本の流れを確認しよう

ファクタリングを利用するには、まずどこのファクタリング会社で申し込むのか検討する必要があります。ファクタリング会社は数多く存在しますが、なかには高額な手数料を請求してくる悪質な業者もあるからです。そのため、ファクタリングの仕組みや手数料相場を調べ、さらにファクタリング会社の信頼性をチェックしましょう。そのうえで、自分の契約したい内容に合う業者が見つかったら、ファクタリングの申し込みをします。
最初にファクタリング会社へメールや電話で問い合わせを行います。相談しておきたいことは、利用したいファクタリングの種類、債権の買取額、手数料などです。また、すぐにでも現金化したい場合には、即日入金が可能かどうかも相談します。入金までの日数は、ファクタリング会社によって異なります。最短で即日、通常は3日程度が目安です。相談のうえ、納得がいけば申し込みとなります。
ファクタリングの申し込みをすると、仮審査が行われるのが一般的です。仮審査では、ファクタリング希望額や入金希望時期、会社規模や資本金額などがヒアリングされます。仮審査を通過したら、必要書類を提出して本審査です。本審査では、利用会社と売掛先の信用力調査が行われます。審査で問題がなければ、いよいよ契約手続きです。
契約締結後、ファクタリング会社から利用会社へ譲渡した分の現金が入金となります。2社間ファクタリングの場合はこのあと売掛先から利用会社へ入金があり、利用会社がファクタリング会社へ売掛金と手数料を支払うという流れです。一方、3社間ファクタリングの場合は、利用会社は売掛金の回収を行わず、売掛金はファクタリング会社へ入金されます。

 

ファクタリング契約の必要書類をチェック

ファクタリング契約を結ぶ際には、さまざまな書類を用意しなければなりません。きるだけ早く資金を調達したい場合は、あらかじめどのような書類が必要なのかチェックして、契約前に用意しておくとよいでしょう。ここでは、ファクタリング契約の必要書類を挙げます。
まず、必要書類として挙げられるのが商業登記簿謄本です。商業登記簿謄本とは、会社が商業登記されていることを証明するための書類で、法務局で取得することができます。取得するためには、印鑑証明や事業主の本人確認書類などが必要です。
また、契約書に押印する印鑑が、登録された実印であることを証明するために、印鑑証明書も必要となります。印鑑証明書と一緒に経営者の本人確認書類の提出を求められることもあります。印鑑証明書は市区町村の窓口で取得可能です。
契約時には、決算書のコピーや試算表も提出する必要があります。決算書のコピーは直近3年分の書類を提出するのが一般的です。税務申告済みの押印があることが必須です。試算表は決算書を作成した月から日数が経過している場合に提出が必要になることがあります。
さらに、売掛先との過去の取引や入金が確認できる書類も求められます。売掛先との関係が良好かどうかを示す書類として必要です。掛取引の発注書や請求書、納品書などが確認書類となります。ファクタリングで譲渡の対象となる売掛債権以外にも、過去に行った掛取引の詳細がわかる書類があれば、用意しておきましょう。その際、入金確認ができる通帳が支払期日までに入金されていることの証明になり、審査に有利になる可能性があります。

 

ファクタリング契約では手数料を意識しよう

ファクタリング契約で意識しておきたいポイントが手数料です。ファクタリング会社を名乗る業者のなかには、相場よりも高い手数料を取る業者も存在します。ファクタリングの手数料には法規制がないため、手数料はファクタリング会社とファクタリング利用会社の合意で決められます。とはいえ、あまりにも高すぎる手数料で契約するのは危険です。ファクタリングを利用する目的は、事業資金の確保とキャッシュフローの正常化です。経営を圧迫するほど高い手数料を取る業者や、手数料の内訳を明確にしない業者は避けたほうがよいでしょう。
高額な手数料を請求されないためにも、ファクタリング手数料の相場を押さえておくことが大切です。ファクタリングの手数料は、2社間ファクタリングなら10~30%、3社間ファクタリングなら1~5%が相場といわれています。それより高い業者を利用するのは、やめたほうがよいといえます。特に、急いで現金を調達したい場合、手数料の相場を考えずに契約してしまいがちです。しかし、ファクタリングを利用するということは、通常入るはずの売上金が手数料分で減るということを意味します。そのため、手数料には慎重になる必要があるのです。
ファクタリングの手数料は、審査内容や利用履歴によっても変わってきます。売掛先が優良企業であれば、手数料が安くなるのが一般的です。また、ファクタリング利用会社の信用力も関係します。ファクタリング会社によっては、2回目以上の利用で手数料を安くしてくれる業者もあります。もし今後もファクタリングを利用する予定があれば、2回目以降の手数料が安くなる業者を選ぶのがおすすめです。

 

ファクタリング契約書の控えは必ずもらう!

ファクタリング契約では必ず契約書の控えをもらうことが重要です。契約書の控えを渡さず、あとになって契約時とは違う法外な手数料を請求してくる業者が存在するからです。契約書の控えをもらわないと、どのような契約をしたのかわからなくなってしまいます。口頭で説明を受けた場合も、きちんと書面に残してもらうことが大切です。万一、あとでトラブルになったときに、契約書の控えがないと対抗できなくなります。契約書はもちろん、見積もりも書面やメールでもらうことが重要です。
また、契約時には契約書の内容をよく確認しましょう。契約内容の確認は、ファクタリングで利用会社が不利な契約とならないために大切なことです。契約はファクタリング会社へ出向き、対面で行うことが前提となります。たとえ、ファクタリング会社が遠方にある場合でも、できるだけ会社へ訪問して契約することが重要です。ファクタリング会社のなかには、利用者が会社へ来ることを拒む業者もあります。そのような業者は悪徳業者や違法業者である可能性が高いのです。
優良なファクタリング会社であれば、契約や審査のため利用者と直接会って話したいと考えるはずです。対面で契約をすると、契約内容に疑問点があっても直接質問できます。そのときのファクタリング会社の様子をうかがうことで、本当に信用できる会社なのか見極めることも可能です。ファクタリング契約は対面が基本で、契約書の控えは必ずもらうことが前提となります。契約書の控えを渡さない業者とは、契約を結ばないようにしましょう。

 

ファクタリング契約の基礎知識をしっかり把握しよう

ファクタリングサービスは、日本では認知度が低く、歴史も浅いのが実情です。そのため、ファクタリングの仕組みや契約に関する知識を持っていない経営者も多いかもしれません。しかし、ファクタリングはうまく活用すれば、売掛債権を早期に現金化して事業資金として使える便利なサービスです。今後、企業や個人事業主の資金調達手法として一般的になる可能性もあります。ファクタリング契約の基礎知識を把握して、便利な資金調達方法の一つとして役立てましょう。