運転資金を安定させる!現金を増やすための調達方法


経営を安定させ、継続的に事業を行っていくためには運転資金をしっかりと確保しておく必要があります。特に、一時的な支出によって資金繰りが急速に悪化してしまうのは避けたいものです。現金を増やして資金繰りを改善する方法として、主なものに「銀行融資」と「ファクタリング」があります。今回は、銀行融資とファクタリングの違いやメリットについて詳しく解説していきます。

粗利益の3カ月分が運転資金の目安

経営が問題なく行われているかを判断するには、資金繰り表を普段から意識しておく必要があるでしょう。運転資金は多ければ多いほど良いものの、一般的には粗利益の3カ月分があれば経営は安定するといわれています。運転資金の計算方法は、「売上債権+棚卸資産-仕入債務=運転資金」で求められるので、定期的に確認をしておきましょう。また、運転資金が適切な水準を保っているかを示すものとして、「預金月商倍率」というものもあります。計算方法は、「(現金・預金+換金可能な有価証券額)÷月間平均売上高」で算出できるので、活用してみることで資金繰りの悪化をいち早く察知できるでしょう。
いずれにしても、運転資金が危なくなってから資金調達方法を考えるのは得策ではありません。普段から粗利益の3カ月分を1つの目安として、いざというときの資金調達方法を検討しておきましょう。

 

運転資金を圧迫する3つの主な要因

運転資金に圧迫を与えてしまう要因は、主なものでも3つあげられます。1つ目は、売上債権の回収サイクルが長く、資金繰りが悪化してしまうことです。業種によっては売掛金の支払いが100日後払いということもあるでしょう。売掛金が増えていく一方で、仕入れのための資金はどんどん必要になるといった悪循環に陥ってしまいがちです。2つ目は、不良在庫があり棚卸資産がうまく回転していないケースもあるでしょう。小売りなどの現金商売の場合は、在庫が回転しなければ売り上げとして回収できない状態になってしまいます。
そして、3つ目は仕入債務の支払いサイクルが短いことです。商品を仕入れなければ事業が成り立たない業種であれば、仕入れのための資金が事業を圧迫する要因となるでしょう。それぞれの要因をうまく対処していかなければ、資金繰りの悪化によって黒字倒産となってしまう可能性もあります。日頃から資金繰りに対して、よくチェックしておくことが大切です。

 

銀行融資による資金調達の注意点

資金繰りを改善するときに、金融機関から融資を受けるのも1つの資金調達方法だといえます。大口の受注などで一時的に大きな設備投資をしたり、人員を確保したりしないといけない場合に有効な方法でもあるでしょう。銀行融資では必ず、資金用途を尋ねられるため、融資を申し込む前に事業計画書を綿密に作っておく必要があります。事業の将来性や債務超過に陥っていないかなど、細かく審査されるので専門家の力も借りながら進めていく必要があります。
都市銀行や地方銀行、そして日本政策金融公庫などの金融機関によって、融資額や支払う利息も異なる点を理解しておきましょう。また、事業計画書の作成や財務内容のチェックなどで融資の実行までに数カ月の時間が必要となる場合もあるので、計画的に行っていく姿勢を持つことが重要です。

 

事業への悪影響をなるべく取り除く

資金繰りの改善は経営を安定化させるために必要なことではあるものの、無理に進めてしまうと事業に悪影響を及ぼしてしまうこともあります。たとえば、売掛金の回収を急ぐあまり取引先にいきなり相談してしまうと、「資金繰りが危ない状態なのではないか?」と疑念を持たれることもあるでしょう。その後も継続して取引を行っていくなら、取引先からの信用力の低下は避けたいところです。また、仕入れなどの支払いサイクルを遅らせようとすると、納入業者から商品の納入を断られてしまう可能性もあります。
さらに、資金繰りが苦しいからといって税金や社会保険料の滞納をすることは避けましょう。職場環境に影響を与えますし、融資を申し込むときにも悪い影響が出てきます。滞納を起こしてしまう前に、事前に税務署や年金事務所に分納の相談をすることを心がけてみてください。また、銀行融資を受けられたとしても、借入金であるため利息と一緒に返済していかなければなりません。融資によって一時的に資金繰りが改善したとしても、中長期的には経営を圧迫する要因になってしまう点も意識をしておきましょう。大切な視点は中長期的に見て、事業への悪影響をできるだけ取り除くといった部分にあるといえます。

 

ファクタリングのメリットと活用方法

会社の資金繰りを改善する方法の1つとして、「ファクタリング」といった手段があります。ファクタリングとは、会社が保有する売掛金などの売掛債権をファクタリング会社に売却することによって、資金調達を行う方法のことです。メリットとしては、取引先に知られることなく売掛債権を現金化できるため、会社の信用力を落とすことがありません。また、銀行融資などと違って借り入れを行うわけではないため、仮に取引先が倒産をしても返済の義務も発生しません。手形割引の場合は、あくまでも借り入れの形をとるので取引先が倒産をしてしまった場合には金融機関への返済の義務が発生します。
そして、最も大きなメリットはファクタリング契約の申し込みをすると、即日~1週間程度で売掛債権を現金化できる点です。銀行融資などと比べても、早期で資金繰りを改善できるため、経営環境を安定化させることにつながるでしょう。

 

資金繰りに合わせて柔軟に対応していく

安定した経営を継続していくためには、何よりも運転資金に気を配っておく必要があります。粗利益の3カ月分を1つの目安として、資金繰りに問題がないかをチェックしつつ、できるだけ多くの資金調達方法を検討しておくことが大切です。また、銀行融資やファクタリングの違いをよく理解したうえで、自社の経営状況に合わせて最も有効な資金調達を行っていきましょう。資金繰りが悪化する前に必要な対策をとるには、あらかじめ準備を整えておくに越したことはありません。
特に、売掛金が多かったり、仕入れのサイクルが短かったりする業種であれば、黒字倒産を防ぐ方法を意識しておきましょう。売掛金の多い業種であれば、ファクタリングは早期に現金を調達できるため、資金繰りを改善することに役立ちます。1人であれこれと悩んでしまうよりも、まずは気軽に相談をするのも経営改善につながる第一歩だといえるでしょう。